Endodontics
精密根管治療

2つの分野の専門知識を
活用した精密根管治療
精密根管治療
重度のむし歯では、歯の神経まで感染が及ぶことがあります。
そのような場合、根管治療(歯の根の治療)が必要です。まず、感染した神経組織や壊死した組織を徹底的に除去します。次に、根管内を特殊な薬剤で洗浄・殺菌し、再感染を防ぐために根管充填材で封鎖。最後に、歯冠部を被せ物で保護し、治療を完了します。根管治療は高度な技術を要しますが、歯を抜かずに保存できる可能性を高めます。
精密根管治療について
~歯を抜きたくない、歯を残したい方へ~

近年むし歯の数は年ごとに減ってきています。しかし根管治療においては、日本は際立って再治療が多いといわれる国です。
根管治療の技術革進は大きく進化しています。
いくら丁寧に長い時間かけた根管治療をしても使う器材器具が古く、旧来の考え方ですと、再治療が多いという現実は変わりません。
- 治療期間
- 約1ヶ月
- 治療回数
- 約5回
メリット
- 精密機器を通して治療にあたることで、抜歯をすすめられた場合でも自身の歯を残せるケースがあります
- むし歯の再発防止に繋がります
- 神経を除去するためむし歯による痛みがなくなります
デメリット
- 保険対象外となり治療費が高額になる可能性があります
- 来院が複数回に及ぶことがあります
- 根管治療後、熱や痛みが出る場合があります
- 複雑な根管の場合、治療の成功率は下がる傾向があります
Point
「精度のよい被せ物」をおすすめする理由
根管治療を成功させるだけでなく、その後の歯の寿命を左右するのが被せ物の質です。当院では、保険適用外となりますが、接着性に優れたセラミック製の被せ物を推奨しています。
セラミックは見た目の美しさだけでなく、細菌が付着しにくく、歯との接着性が高いため、根管への再感染リスクを最小限に抑えられます。
精密根管治療の特徴
診療時間に余裕をもって取り組めます

精密根管治療では1回の治療時間を長めにとり(最低60分以上)、治療回数は症例によりますが、2から3回で終了します。根の病気が治らないときは、外科的歯内療法という処置をおこないます。
従来の一般的根管治療は1回の治療時間が30分前後、短いと15分ということもあります。治療回数が多く、長いときは数か月ほど行うこともあります。治療回数が多いほど感染率が高くなります。
マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用します

精密根管治療(世界基準レベル)はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いる事により歯の内部構造や感染源を直接見ながら治療ができるようになり、成功率が大幅にアップします。従来の一般的な根管治療は見えない歯の中をレントゲンを参考に、勘に頼りながら行う手探り治療です。
Point
マイクロスコープの視界
肉眼では見えない根管内部を数十倍に拡大して観察できる歯科用顕微鏡がマイクロスコープです。複雑に入り組んだ根管の隅々まで確認しながら治療を進めることで、感染源の取り残しを防ぎ、治療の成功率を大幅に向上させます。
また、歯周病治療においても、歯石の取り残しを最小限に抑えることができ、より確実な治療結果につながります。
ラバーダムによる防湿

根管治療を成功させるのに最も重要なことは、唾液からの細菌の感染を防ぐためのラバーダムの装着です。ラバーダムとは、治療を行うときに歯に装着するゴムのことです。口全体を覆って治療する歯だけを出すので、細菌がお口の中に入るのを最大限防ぐことができます。日本では一般的な根管治療ではラバーダムを使用しません。
歯科用CT撮影による精密検査

歯科用CTは、X線での断層撮影を行い、コンピューターでのデータ処理・再構成によって、歯や顎骨の状態、神経の位置、血管の位置などを3次元画像で確認できます。
今まで見えなかった病巣や、解らなかった歯の形が鮮明に浮かび上がってきます。顕微鏡との併用により、根管治療の成功率アップに、特に再治療時の診断に大きな貢献をいたします。
ファイル・エレメントモーター

根管治療では、むし歯に侵された神経を除去するために「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。
一般的な根管治療で使用されるステンレスファイルは固すぎるため根管を痛め直線化してしまいます。精密根管治療では十分な柔軟性を持ち、より神経を除去できるニッケルチタンファイルとアダプティブモーションを備えているエレメントモーターを使用し、しっかりと汚れをとりパワーを備え、ある一定以上の負荷がかかると一時停止・逆回転して、組織の削りすぎを防ぎます。
Point
エレメントモーターの仕様
根管治療では、細く複雑な形状の根管を適切に拡大・清掃する必要があります。エレメントモーターは、この作業を安全かつ効率的に行うための専用機器です。
またエレメントモーターのアダプティブモーションで、ファイルの食い込みと根尖への切削紛溢出を軽減します。
精密根管治療の治療費
-
前歯 90,000円
-
大臼歯 150,000円
※目安の費用です。正確な費用は、検査・カウンセリングの後にご案内いたします
根管治療後も再発を目指した予防を

根管治療が終了しても、それで安心というわけではありません。歯の根の内部は、非常に複雑な構造をしているため、定期的な検査により、再発の兆候を早期に発見することが重要です。
日々の丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的なメインテナンスを継続できれば、治療した歯を長期間健康に保つことができます。
根管治療のよくある質問
保険の根管治療と「精密根管治療」は何が違うのですか?
最も大きな違いは、感染源を「見て」「隔離して」取り除けるかどうかです。当院の精密根管治療では、根管内部を数十倍に拡大するマイクロスコープを使い、複雑に入り組んだ根管を直接確認しながら処置します。一般的な根管治療はレントゲンを頼りに手探りで進めるため、感染源の取り残しが起こりやすくなります。
さらに、唾液由来の細菌が入らないようゴムのシート(ラバーダム)で治療する歯だけを隔離し、歯科用CTで病巣や根の形を立体的に診断します。器具も、根管を傷めにくい柔軟なニッケルチタンファイルと、一定以上の負荷で停止・逆回転するエレメントモーターを使用し、削りすぎを防ぎます。根管充填には欧米の専門医が採用するCWCT法を用い、すき間を極力なくして緊密に封鎖します。
治療期間はどのくらいで、何回通う必要がありますか?
精密根管治療では1回の治療時間を最低60分以上と長めに確保するため、根の治療自体は症例によりますが2~3回で終わることが多く、被せ物までを含めた全体の目安は約1ヶ月・約5回です。一般的な根管治療は1回15~30分程度で回数を重ねる方式ですが、通院回数が多いほど再感染のリスクは高くなります。なお、根の病気が治らない場合は「外科的歯内療法」という処置に移行することがあります。
1回60分以上の治療やラバーダムの装着は、負担が大きくないですか?
ラバーダムは治療する歯だけを露出させて口全体を覆うゴムのシートで、唾液に含まれる細菌が根管に入るのを最大限防ぎます。根管治療を成功させるうえで最も重要な処置のひとつですが、日本では一般的な根管治療で使われることはほとんどありません。口の中に器具や水が流れ込みにくくなるため、慣れると楽に感じられる方も多い処置です。
1回の治療時間を最低60分以上と長めに確保するのは、その分だけ通院回数を減らすためでもあります。従来型の治療は1回15~30分と短い代わりに回数を重ねる方式ですが、根管を開け閉めする回数が増えるほど再感染のリスクは高まります。当院では根の治療自体を2~3回で終えることを目指しており、結果的にトータルの負担は軽くなります。
他院で根管治療を受けましたが、痛みや違和感が続いています。抜くしかないのでしょうか?
すぐに抜歯と決める必要はありません。根管治療後も咬んだときの違和感が残る、歯根の先に膿の袋(歯根嚢胞)ができて歯肉が腫れる、レントゲンで根尖の病巣が拡大しているといった場合は、根の複雑な形状により感染源に器具が届いていない可能性があります。
当院ではこうした難治性のケースに対し、歯肉を小さく切開して根の先の病巣だけを直接取り除く外科的歯内療法(マイクロサージェリー)を行っています。マイクロスコープと超音波チップで必要最小限の切削にとどめ、生体親和性の高いMTAセメントで緊密に封鎖します。治療は1日・1回(術後の経過観察を除く)、被せ物や土台を外さずに対応できるのも利点です。ただし術中に歯根の破折が確認された場合は抜歯に移行することがあり、歯の部位や形によっては手術ができない場合もあります。
治療後に痛みや腫れが出ることはありますか?終わった後のケアも教えてください。
根管治療の後に、一時的に熱っぽさや痛みが出ることがあります。これは処置による生体の反応として起こり得るもので、経過とともに落ち着いていくのが一般的です。気になる症状が続く場合は我慢せずご連絡ください。なお、神経を除去するため、むし歯によるズキズキとした痛みからは解放されます。
治療が終わってからも安心はできません。歯の根の内部は非常に複雑な構造をしているため、定期的な検査で再発の兆候を早期に見つけることが大切です。あわせて、根管への再感染を防ぐには被せ物の質も重要で、当院では細菌が付着しにくく歯との接着性に優れたセラミック製の被せ物をおすすめしています(保険適用外)。日々の丁寧なブラッシングと歯科医院での定期メインテナンスを続けていただければ、治療した歯を長期間健康に保つことができます。
