前歯のインプラント治療 ―抜歯即時フラップレス(無切開)インプラント―
みなさん、こんにちは。宇都宮市で歯科医院を開業している江俣です。
今週で6月も終わりです。今年も折り返しに来たんですね。
今回は前歯のインプラント治療のお話しです。奥歯に比べて骨が薄い前歯は、インプラント手術の中でも非常に難易度が高い部位といわれています。通常であれば抜歯をしてから数ヶ月待ち、インプラントを入れる手術をしますが、前歯では骨が薄いため、歯を抜いて数か月待つと、今までその歯を支えていた骨と歯肉が吸収されてしまいインプラント治療が難しくなってしまうばかりでなく、審美的にいい状態に回復することができなくなってしまいます。
最新の前歯のインプラント治療は骨や歯肉を温存するため、また患者さんに負担がかからないため、抜歯と同時に切開(フラップレス)せず、インプラント埋入する方法が推奨されています。(重度に進行した歯周病や大きな根の病巣あったときは適応外です)。またかなり難度の高い手術なので細心の注意が必要です。そのために術前の診査・診断のCTとそれを基にしたコンピュータ・シミュレーションが必須です。
53歳 男性 数年前にセラミッククラウンを被せましたが、とれてしまったそうです。根が残ってなく、割れていたため残念ですが抜歯になりました。
残念ですが、歯が残っていないばかりか、歯根も割れています。患者さんは抜歯後、インプラント治療を選択しました。
CT像です。歯根の周りには骨がありますので、抜歯即時インプラント埋入の適応です。
抜歯は周りの骨を損傷しないように、普段の抜歯より細心の注意を払います。
抜歯即時のときは、相性の良いHAインプラントを使用します。
また抜歯即時で難しいのは、インプラントの埋入方向が0,5mmでも悪いと形の良いインプラントの被せものができず、抜歯したところに骨がないので初期固定(初期の安定性)に十分注意を払う必要があります。

普通は歯肉を開いて、骨を明示して手術をおこなうのですが、この方法だと、歯間乳頭(歯肉の間の三角形の歯肉)とよばれる部位がなくなってしまい、被せものが審美的でないので、上の写真のように‘フラップレス’といって歯肉を開かない方法が推奨されています。
埋入後のレントゲン像です。前歯のインプラントは通常のレントゲンの他に、術後のCTが必要になります。
キャップの上に仮歯がすぐはいります。
